■ 外断熱住宅

 
 
  ■ 熱容量と外断熱

    熱容量
   熱容量とは、熱エネルギーを貯め込むことができる容量を言い、材料(物質)固有の比熱
   とその量によって決まります。一般的に比熱は、暖まりにくく冷めにくい材料ほど大きく
   なります。

   室内側に、熱容量の大きな材料(蓄熱体)を使用することによって、室温の変化を穏やか
   にすることが出来ます。その理由は、室温が蓄熱体より下がると蓄熱体が放熱し、上がる
   と蓄熱体が吸熱するためです。


    砂漠地帯の熱容量
   地球上には、昼夜の温度差が60℃以上にもなる砂漠地帯がありまが、この過酷な気象は、
   地球(地表)の熱容量が大きく関係しています。

   砂漠地帯の地表は、乾燥した砂地で覆われています。乾燥した砂地は、砂と空気から構成
   されているため地表(砂地)が断熱層として働き、地表の熱容量は小さくなります。
   それ故、日中は太陽の熱エネルギーを吸収出来ず高温になり、夜は、宇宙に向かって放熱
   する熱容量がないため低温になるのです。

   もし、この砂漠地方が樹木に覆われて地表(土壌)が湿潤していたとしたら、地表(樹木
   なども含む)の熱容量が大きくなるため、日中は太陽の熱エネルギーを吸収し、夜は、吸
   収した熱を放熱するので、昼夜の過酷な温度差は劇的に緩和されるはずです。

   もし、この砂漠地方に大きな熱容量を持った外断熱住宅があったとすると、その住宅の室
   温は、自然のエネルギーだけで、昼夜を問わずほぼ一定の温度に保たれるはずです。
   (※単純ですが ...) 


   ※土は、乾燥すると土中の水分が空気と入れ替わるため断熱性が高くなり、熱容量が小さ
   くなります。反対に水分が多くなると、断熱性が低くなり熱容量が大きくなります。



    暖冷房の停止    
   住宅の暖冷房は、外気温と快適な室温の差が大きい時期に稼働していますが、何らかの理
   由(故障、停電、燃料切れ等)で、暖冷房を停止せざるを得なくなる場合(可能性)があ
   ります。この時、室内側に大きな熱容量があると、室温が穏やかに変動していくため数日、
   あるいは数週間、暖冷房が停止していても暑さ寒さを感じることなく生活することが可能
   になります。
   (※実際に経験しています ...) 


    外断熱の熱容量
   外断熱の熱容量は、日常的に室温の変動を穏やかにする特性を持っていますが、昼夜の温
   度差が大きくなる時期(季節)、あるいは予期しない理由で暖冷房が停止した場合に、最
   もその特性が発揮されます。
 
 
 
 
 
  ■ 外断熱住宅の特長

   外断熱住宅の最大の特長は、全てのバリア層を構造体(軸組あるいは躯体)の外側に切れ
   目無く構成することにより、構造体を室内側の環境に解放できることです。

   <このことにより、次のようなメリットが生まれます。>
  
   1.構造体によるサーマルブリッジが無くなります。    
   2.構造体が室温と同じになるので、構造体で結露を起こす可能性が無くなり、結露によ
     る構造体の耐久性の劣化を防ぐことが出来ます。
   3.構造体の熱容量を利用するため、室温の変動が穏やかになります。
   4.各バリア層を傷つけることなく配管、配線等の施工が可能になります。
   5.各バリア層の施工が容易なので、施工精度による住宅品質のばらつきが少なくなりま
     す。


   ※バリア層とは、住宅の耐久性と快適な室内環境を確保するために構成する部位の総称で、
   防湿層、断熱層、気密層、透湿層、通気層から構成されています。

   ※サーマルブリッジとは、2つの面を結ぶ熱抵抗値の低い伝熱経路のことをいいます。
   簡単に言うと、構造的に断熱が難しいため、断熱が弱くなる部位のことです。
    @軸組工法では、柱、間柱、根太などの軸組部分
    Aツーバイ工法では、スタッド、根太などフレームウォール内の軸組部分
    Bパネル工法では、パネルフレーム、パネル内の補強部材
   これらのサーマルブリッジ面積は、壁面積全体の約15〜20%を占めています。