■ 住まいの本質

 
 
  ■ 換気と湿度

   ここでは、断熱化・気密化された質の高い住宅で、かつ屋外の空気が汚染されていないこと
   を条件として説明します。

   室内の空気は、放っておくと時間経過と共に、人体、ペット等の新陳代謝、炊事の燃焼ガス、
   水分、喫煙、家具建材等が放出するVOC、化学物質など様々な要因で汚染されてきます。


    換気の重要性
   これらの物質を室内から除去する手段として最も有効な方法は、外気(大気)と「換気」す
   ることです。換気は24時間365日、季節に関係なく連続して確実に行われるべき必要が
   あります。「換気」は、現代の住宅において最も重要な要素になっています。

   気密化された住宅において、換気を確実に行うためには明確な換気経路と適正な換気量を計
   画しなければなりません。


    換気方式
   換気方式には、次の4つの考え方(方法)があります。
  
    @第1種換気・・・排気ファンと給気ファンを同時に作動させる。この方法は、換気量と、
             室内外の気圧をそれぞれ独立して制御する必要がある場合に適してい
             ます。
    A第2種換気・・・給気ファンのみを作動させる。この方法は、室内の気圧を常に室外の
             気圧より高く維持する必要がある場合に適しています。
    B第3種換気・・・排気ファンのみを作動させる。この方法は、A第2種換気の考え方と
             逆になります。
    C自然換気  ・・・ファンは作動させずに、室内外の温度差、気圧差、あるいは風圧など、
             自然の原理を利用して換気する方法です。高度な理論と知識が必要で
             す。


    住宅の換気方法
   住宅の換気は、屋外側の気圧より室内側の気圧が低くなる、B第3種換気方式が適していま
   す。その理由には2つあります。

    @室内側の気圧が低くなることによって、室内の空気は、計画された換気経路以外から漏
     れ出ることがなくなり、それと共に内部結露の原因となる水分も漏れ出なくなるからで
     す。この場合、逆に、外気が換気経路以外から侵入してくる可能性はありますが、外気
     に含まれる水分の量は、室内の空気に比べて圧倒的に少ないのと、温度が高い室内側に
     侵入してくるため内部結露の要因とはならないのです。

    A排出(排気)することによって起きる気圧変化を利用すると、計画段階で比較的容易に
     空気の流れを把握することが出来ます。

   換気すると言うことは、当然、室温も外気温に近くなり、水分(絶対湿度)も外気に近くな
   ることを意味します。


    熱交換換気
   換気設備は、暖冷房の負荷を低減させる意味で、熱交換方式を採用する必要があります。
   熱交換方式には、全熱(顕熱+潜熱)交換方式と顕熱(顕熱のみ)交換方式とがあります。
   簡単に言うと、全熱交換方式は、熱以外に水分、臭い等も回収され易く、顕熱交換方式は、
   熱のみを回収します。しかし、現在の住宅用の熱交換換気装置のほとんどは、両方の方式を
   コントロール出来るように設計されています。


    湿度
   一般的に、室内の適正な湿度(相対湿度)は60%前後と言われていますが、その許容範囲
   は、気候風土、家族構成、主観、生活スタイルなどの様々な要因によって変化します。

   住宅の耐久性、結露の観点から考えると、湿度は低い方が理想(結露域が少なくなる)なの
   ですが、湿度は、健康、医学的な見地からも検討されるべきです。

    @乳幼児の適正な皮膚表面の湿度は、60%前後
    Aダニが繁殖できる条件は、温度22℃〜30℃、湿度60%〜80%
    Bカビが繁殖できる条件は、温度25℃前後、湿度70%前後

   一般的に、湿度が高くなると細菌類の繁殖域、低くなるとウイルス類の繁殖域と言われてい
   ます。


    体感湿度
   湿度も室温と同様に、数値で比較されますが、室温と同じ様に、住まう人の「体感」の方が
   はるかに重要なのです。

   断熱、気密、換気が十分に配慮されている住宅の「快適な湿度」を「体感湿度」で比較する
   と、快適な湿度は、快適な室温と同様に、外気温が低い冬期では、体感湿度より低い数値に
   なり、外気温が高い夏期では逆に、体感湿度より高い数値になります。